デスクトップ型粉末回折装置の調整

投稿者が主に用いていたX線回折装置は,装置製造会社からの納入時にも,マニュアルの通りにX線源の位置調整をしても,X線源とゴニオメータの回転軸,半導体ストリップ型検出器の中心位置が直線関係にならないとしか思えなかった。防X線壁内に LED 照明と USB カメラ (5 k 円程度の価格で市販される),試料位置に蛍光板,試料ホルダの中心位置を照らすように半導体レーザを設置してX線が蛍光板の中心位置を光らせるように手作業でX線源位置の調整をした。

画像 (1): 半導体レーザの設置と角度の調整。2 k 円程度の価格で市販される赤色半導体レーザ部品を,装置製造会社が特許出願中とする「散乱プロテクタ」に縛り付けて,「散乱プロテクタ」と検出器アームとの間にスペーサを斜めに挿入して半導体レーザが試料中心を照らすように角度の調整をした。

画像 (2): 蛍光板の設置。蛍光板は紙製で自重に耐えず垂れる変形をするので,裏にアルミ板を貼り付けて補強し,隙間ゲージを用いて平面性を確認した。

画像 (3): LED 照明を落として蛍光の撮影をした。

画像 (3) で緑色に光るのがX線に照射される部分であり,画像 (1) で赤く光る範囲の中心と概ね位置が一致していることは,画像ヴューワで画像データを読み込んで,表示画像を切り替えることで確認できる。

画像 (3) では緑色に光る範囲の左下に赤く光る部分があるように見える。また緑色に光る範囲は,本来なら長方形に見えるはずなのに平行四辺形のように見える。これらの違和感は,X線源の問題による可能性もあるが,装置製造会社がX線源を斜めに取り付けているか,入射ビーム側の光学部品を斜めに取り付けていることによる可能性もある。

X線源の位置調整は複数の JIS ネジを締めたり緩めたりして行う仕様になっている。

画像 (3) に示した蛍光の画像では,画像下方向には明るく,上方向に暗くなっているように見える。このことはガラス封入管型X線ビームのうち平面的な銅陽極から放射されるX線の中心ビームは離陸角 6º としても,離陸角の浅いビームの強度は弱くなり,離陸角の深いビームの強度が強くなることと関連する可能性がある。

画像(3)で緑色に光る範囲には縞状の強度分布がある。X線源のカソードとして用いられるタングステン・フィラメントはコイル型のものと想像されるが,水平方向へ巻かれていると想像され,そのこととは無関係と思われる。


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